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②
翌朝7時に目覚まし時計に起こされると、あと5分だけと言ってまた夢の中に戻った。ハッとして慌てて時計を見たら7時40分。ベッドから慌てて飛び起きると急いで着替え、髪のセットもろくにしないで急いで会社へ向かった。
「やばい、ギリセーフか??」
電車を降りるとダッシュで事務所へ上がる。しかし、エレベーターのスピードがまた遅い。映画みたいにサーッといかないのか?とイライラしてやっとドアが開くと事務所への通路をダッシュで走った。何とか始業のチャイムがなる前にデスクに座ると「セーフ」と満足げに呟きパソコンのスイッチを入れた。
「古市、ちょっといいか?」
部長の神楽が、会議室の方を指さした。
「あ、はい」
いつもギリギリの出社でとうとう堪忍袋の緒が切れたか??
会議室に入ると「そこ座って」と言われると、怒られるのを覚悟したが、次に出てきた神楽の言葉に絶句した。
「営業二部へ異動の辞令出たから」
「はい?」
「異動な。次行っても頑張るんだぞ」
「この部署に来たのまだ2年前ですけど……俺なんかしました?」
「何もないよ。俺も驚いたけど会社が決めたことだから仕方ない」
入社10年未満の若い社員は4~5年くらいで異動するパターンが多い。2年で異動なんて特別な理由でもないと聞いたことがない。
「営業二部って本社【東京】ですよね?」
「そうだよ」
「えー、東京……マジ?」
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