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⑦
「明日は雨らいしぞ」
帰りの電車で聞こえてきた隣のサラリーマンの会話。あさ見た天気予報は、確か明日は晴れだったはず。
日向はすぐに携帯を取り出し天気予報を確認すると雨の予報に変わっている!
梅雨空と女心はわからないって昔から言うもんな。 ん? 山の空と女心か?
翌朝、雨の音で目が覚めると日向は心が踊った。
先日と同じ時間のバスに乗ったが、雨のせいで混んでいて奥の方まで車内を見通せない。鶴見駅に向かうバスは停留所で止まる度にどんどん人が増えていってそのままお目当ての彼女を見つれないまま駅に到着した。
あの日に乗っていたのはたまたまだったのか? それとも今日はいつもと時間のバスだったのか? もしくはあの日がいつもと違うバスだったのか? 考え出すとキリがない。 待望の雨だったにもかかわらず、期待外れに終わって雨が恨めしく感じた。
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