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彼女には暗証番号の候補を
13コほど伝えてある。
一見多く聞こえるが
1万通りの前では頼りない。
清久は監視しつつ
リアルタイムに数字を伝えていくつもりだ。
少しして筒井の声が聞こえる。
《暗証番号、一つも合致しません》
案の定。
清久は思考を巡らせる。
「試しに1111はどうだ? 」
《そんな単純に行きます? 》
「分からんぞ、
一時期、
核の発射コードは1の連続だったらしいし」
ロッカーのキーを
カチカチとイジる音がする。
《ハズレです。次は? 》
「じゃあ0315」
《何です、この数字は》
「オレの推してるVtuberの誕生日」
《……ハズレです》
「じゃあ0425」
《また誰かの誕生日ですか? 》
「オレの好きなグラビアアイドル」
《それを聞いてる後輩の気持ち、
分かりますっ!?》
またもやハズレ。
「0816はどうだ? 」
《……今度は誰ですか? 》
「オレのおかん」
《この流れで
お母様入れないであげてくださいっ! 》
筒井はツッコみながらも
カチカチとイジっている。
自らでも思い付いた数字を試している様だ。
他に何かあったかな……
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