Chapter.1

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【04】  翌週、梨花が当たり前の様に現れた。 「キヨ〜?いつもの持って来た〜? 」 日常を疑わない顔。 しかし、今日はいつもと違う。 ノートを受け取った彼女は さっそくパラパラとめくって目を見開いた。 「あれ?……あれ!? ねえ、真っ白なんだけど!? 」 「悪いな、忘れちまった」 「あーあ、そういう事やるんだ〜。 へぇ〜? 」 梨花はニヤニヤしながらカバンから ピンク色のノートを取り出す。 「隣の後輩の娘、筒井ちゃんだっけ? ねぇねぇ、 おもしろい物見たくない? 」 そして勢いよくノートを開いた。 「見てこれ、キヨが描い…… あれ!?真っ白!? 」 「ノートがどうかしたんですか? 」 「ウソ……、何で、何で……? 」 梨花は何度も何度もノートを見返す。 隣で筒井が笑いを噛み殺していた。 「よお、早く 宿題やった方が良いんじゃないか? 」 「キヨ〜〜〜〜」 梨花は涙目で睨んできたが 埒が明かない事を察したのか 憤然とした足取りで図書室を出て行く。 「宿題、間に合うんですかね? 」 「無理。 オレでも2日は掛かったから」 清久と筒井は笑い合う。 こうして清久の“黒歴史”は 文字通り、白紙へと変えられたのであった。
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