Chapter.1

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《いま、ノートを入れました! 》 「……表紙は何色だった? 」 《ピンクです! 表紙には何も書いてませんでした! 》 「それだっ! 」 思わず叫んでしまい、一瞬図書室が静まる。 《先輩、静かに! バレちゃいますよ……》 「わ、悪い……」 《とにかく場所が分かりましたね。 一歩前進ですよ》 「そうだな」 口ではそう言ったものの、 問題は山積みである。 同じような“尾行”を繰り返し 梨花は“ノート”を水曜日に持って来ると 一晩ロッカーに寝かせ 木曜日に持ち帰っているらしい。 つまり強奪のチャンスは 水曜日の放課後ロッカーに預けてから 木曜日の帰る時に取り出すまでの間。 容易ではないが決して不可能ではない。 問題は…… 「先輩、ロッカーの番号わかります? 」 「分かる訳ねえだろ」 学校の個人ロッカーには 4桁の暗証番号が振り分けられている。 個々人が自由に決めて良い為 完全にランダム。 果たして 梨花は何番に設定しているか…… 図書室のカウンターで 清久は天井を見上げる。 「ちなみに五十嵐先輩の誕生日は?」 「2月18日。 でもそんな単純かな……」
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