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もう叫ぶことも嘆くことにも疲れてしまった――。
「 私はここにいる。助けて…… 」
声が枯れ果て、ようやく絞り出すように呟く。それがいま出来る私の精一杯。
いつからここにいるのだろう……記憶も曖昧になっている。
漆黒に塗り潰された世界にある唯一の光が静かに零れ落ち続ける場所――私の背格好と同じぐらいの大きな薄汚れた窓。
その窓に近付き、指を這わせる。ボロボロの無惨な指先が、私のこれまでの日々の証だった。
「 誰も見てくれない……誰も私に気づいてくれない…… 」
どうしてだろう……。
誰もこちらを見ようともしてくれない。
なぜだろう……。
苦しいの――。
助けて…… お願い……。
「疲れた……もういいよ…… 」
楽になりたい。
開放されたい。
「気づいて。友達でしょ、お願い…… 」
楽しそうに微笑む制服姿の友達を見つめながら、私はそう訴え続けた。
この声は届かない。 誰にも――。
「 ねぇ、本当の私はここだよ… 」
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