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「……うう……」
足が痛い。
瓦礫に挟まった。
世界の終わりの最後の日にこんな目に合うなんて。
「最悪だ……」
俺はつくづくついてないな……。
思い返せばしょうもない人生だ。
誰かの怒鳴り散らす声がフラッシュバックする。
耳にタコレベルで効いた怒声が俺は大嫌いだった。
暴力を受け続け、周りは誰も助けてくれなかったっけ。
……いや、一人だけ……でも
「テロで死んじまったっけな……」
俺は周りを恨んでばかりだった。
そんな俺に優しく声をかけてくれた。
……でもまあ
「あいつんとこに行けるなら悪くねぇな……」
静かに目を閉じる。
最後に見る走馬灯が大切な人の顔で良かった。
それだけがこの世界に俺が見出した希望だったから。
誰かの声が聞こえた。
天からのお迎えか。
はたまた地獄からの怒号か。
もうどうだって良い。
このクソみたいな世界におさらばできるなら。
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