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天使レオナルド
「父の日記には、自分は天使レオナルドの頼みで天界を脱走したと記されていました。そしてレオナルドは脱走させた責任として、アズミランによって堕天使に堕とされるだろうと。
そして僕が魔族の姿をレオナルドに見せる事で、父の計画は完成すると記されていました」
天使レオナルドの名前を聞いた瞬間、シャーロットとレパルスの頭の中で、
ガラスがパリンと割れる様な音がした。それは、アズミランによって掛けられていた「忘却」の魔法が破られた音だった。
シャーロットは兄の名前を、レパルスは親友の名前を、思い出した。
シャーロットは兄の名前を叫んでその場にしゃがみ込み、レパルスは手に持っていた杖を落としてしまった。
「創世神......これは一体どう言う事なのですか?私もシャーロットも、大切な人の名前を、その存在を、完全に忘れていました。この魔法は貴方のオリジナルです。何故我々にこの様な魔法を掛けて、忘れさせたのですか?大切なレオナルドの名前を!!」
アズミランに詰め寄るレパルス。だが、創世神は無言で立ち上がると、そのまま足早に部屋を出て行った。その後を追い掛けて行くレパルス。
シャーロットは暫く茫然としていたが、しゃがんだネギトロが「大丈夫ですか?」と声を掛けるとハッと我に返った。
「レオ兄さんは今頃何処に......」
「レオナルドなら僕の仲間と合流するでしょう。それも父の計画の一つですから」
「貴方のお父さんの計画って?」
「いずれ解りますよ。さて、僕は契約書に従ってまた0歳に戻ります。そろそろ時間ですかね」
立ち上がったネギトロの手を掴むシャーロット。
「待って。貴方は0歳に戻っても、早送りはしないの。17歳になったらまた遊覧船の事故に遭って、『バターリャ』に行く。その繰り返しが未来永劫ずっと続くのよ」
だが、ネギトロはニッと歯を見せて笑った。
「大丈夫ですよ。そうならない為に、仲間達が頑張ってくれます。みんなを信じてますから」
次第に消えて行くネギトロ。最後に
「お兄さんにまた会えると良いですね」
と言う言葉を残して、完全に消えたのだった。
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