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その3人の親が、僕の親に謝罪に来ていたのが僕が病院に搬送された日の夜だったそう。
「計算通りだったんじゃないのか?」
「誰が友達が刺されるとこ迄を計算にいれる? どっちかって言うと、お前が起きる事を計算する方が大変だったっての」
「……? 俺が起きる事……?」
「あぁ。ガバガバの計算だったよ。松前さん、ありがとう。お陰で親友が起きたよ」
「え、あ……うん……」
「……?」
「1週間近く、おめーの隣に学校終わりとかに来てくれて付きっきりだったんだぜ? これで俺の計算したシナリオは終わりだ。じゃあな、お前が退院した頃には夏休み入ってるだろうし、その時にお礼代わりに遊んでくれよ?」
「は、原田……!」
原田はそう言いながら背を向けて手を振り、部屋を出て行ってしまった。
ミーーーーン……ミーーーーン……
少しの沈黙がある中、蝉の鳴き声だけが響き渡っている。
沈黙を破ったのは松前夏菜であった。
「あ、あの」
「え、うん……」
「な、なんで……田城くんがあんな事したのか……聞いた……?」
「……え、いや正直それだけがわからなくて……なんで?」
「わ、わたし……たち……幼馴染じゃん?」
「う、うん……」
らしいね、なんて言ったら張り倒される気がして言えなかった。
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