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彼の知らない事は、この街の誰も知らないと言っても過言では無いかも知れない、と言わしめる程である。
「俺も引っかかってんだ。この事件、只事じゃねーってな。わざわざおめーを犯人にしようとしてんだ。あの田城がな」
「あぁ。やっぱりあいつが怪しいか」
「まあな。……まずいな。人が来た。とりあえず此の後の5時間目と6時間目はサボるぞ、いーな?」
「……仕方ないのか。わかった……」
そう言って僕と原田は場所を移動する。
移動した場所は、人が滅多に来る事の無い、来年僕らの卒業後に取り壊しが決まっている立入禁止が取り決められている旧校舎である。
普通の出入り口からは、鍵が閉まっている為出入りは不可能となっている。しかし、少し歩くと裏口があり、そこの近くにある窓の鍵が僕らの学年より2つ程先輩のヤンキーにより取り壊されており、唯一そこからの出入りを可能としていたのだ。
一つの教室へと踏み入る。その教室だけカーテンが全て閉め切られているのだ。
大声で話す事が無ければ、人が近付いて来る事はまずない。
「さて、一旦状況を整理しよう」
「あぁ」
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