夏の奏

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「松前の下着がどうしても欲しくてやっちゃいましたって、自白しに来たんだろ?」 「……ハハハ……くだらない……。だからと言って何故盗みをする必要がある……? この僕が。それに、君らの憶測かつテキトーな羅列でしかないのに、そこには証拠が無い。僕がやったかも知れない、という可能性論でしかないわけだ」 「やった証拠も無ければ、やっていないという証拠もないよ」  次に口を動かしたのは田城だ。  余裕ぶった顔をしながら、どこかニヤつきながら、ヘラヘラしてる。  なんつー気持ち悪い顔だ。それが主犯格の顔だとはな。  尽く滑稽である。 「少しは僕の話を聞いてくれてもいいだろう? なあ。みんなも。こんなに順調に僕が犯人と決まるのも不自然な話だろう?」 「いつも変態な話をしてるだろ」 「キモい顔で女子を見ているだろ」 「松前とも、最近まで仲良く会話してたのもこれを狙ってたの事なんだろう?」  僕の皆への問いかけにこんな言葉の返答があった。そうだ僕は時々松前と会話をする事があった。
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