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「……? ……分かった、聞かせてみろ」
一瞬唇を内側に隠し、すぐに出して言葉を出す。
僕はその様子を見て余裕が出てきたので、流れていた冷や汗を垂らしながら笑みを零す。
「まず犯人は一人ではない。一人では出来ない芸当だからだ。この犯行を執り行うには3人という人数が関わっている」
僕のこの話を聞いて、田城と平田と鈴木が同時に、唇を内側に隠し、冷や汗を流している。
おかしいなあ?
この教室は冷房で涼しい筈なのになあ?
「まず、盗む役。それと辺りを見張る役、そして盗んだ物を指定された場所へ隠す役。盗んだやつは、女子更衣室で盗みを働き、下着を透明の袋へ入れ梱包した。そして梱包した下着を女子更衣室の小窓へ投げ捨てた。ここまでに要した時間はたった3分程度だったそうだ」
いつしか喚いていた周りのクラスメイトは僕の話に聞き入っていた。
「……隠す役は、いつ隠したのか? そんなの簡単だ。僕を犯人扱いしていた時だ。クラス中の注目をこの僕に集めていたら、教室から出て盗まれた物を取りに行き、隠す事は可能になる、というわけだ」
「……ハッハッハ……それが授業サボって考え出した言い訳か?」
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