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その隙に、平田が立ち上がって無言でこちらへ走ってきて拳を突き出そうとしてくる。
「うぁあぁぁああぁぁあああ……っっ!!!!」
僕は咄嗟に、右側に身体を反らせる。しかしよく見てなかった。彼は拳を突き出していたわけじゃなかったことを。
僕の左肩に、見事突き刺さったソレを僕は至って冷静になりながら見つめる。
カッターナイフだった。
そうだ。拳ではなく刃を突き出し、僕に突き刺したのだ。
刃は折れて、僕の左肩にはジンワリと血が滲み出る。
「ングッッ……ッッ!! アグッッ」
「キャアァアァアアアァーーーーッッ!!」
甲高い女子達の声が聞こえて来る。
先生も焦りながら、平田を取り押さえている。
田城は僕の事を、目を見開きながら冷や汗を流しながら見ている。今になって事の重大さを思い知ったか?
お前のした事で起こった事だぞ。
あぁ……あぁーーぁぁあ……イッテェ……。
騒がしい教室の中、鈴木が静かに僕に近付いて来て、ニヤリと笑っている。
なんだ? 今更僕に何の用だ……?
「……本当に……君はとんでもない……あの田城君の計画を上回ったんだから……」
「…………はぁはぁ…………」
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