夏の奏

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「佐藤!! あんた、かなの下着を何処に隠したってのよ!!」  仲村が声を荒げさせながら、怒鳴りつける様にそう言ってくる。 「……し、知らない……」 「しつこいぞ」  田城のすぐ後ろに居た男子生徒が、僕に向かってきて、机を蹴ってくる。  そのまま勢いに任せて僕に向かってきて拳を向けてきた、その時だった。  野太い声が入り口付近に集う女子達の向こう側から聞こえて来たのは。 「おーい、何事だ〜?」  昼休みに教室に戻った来た担任の先生である。  その声を聞いて、ピタッと止まった男子生徒の拳。舌打ちをしながらその場から退き、僕を睨みつける。  お前はなんなんだ。  先生は、女子達と田城から事情を聞いて、僕の居る場所へと近付いて来た。 「話は聞いた。佐藤、お前がやったのか?」 「……ぼ、僕は何も……」 「分かった。とりあえず会議室来い。よし、お前らこの話は一旦ここで終わりだ。松前、保健室に行って、下着借りて来い」 「は、はい……」 「とりあえず昼飯食うぞ」  先生の言葉で、一時的にその場は収束を迎えた様に見えた。
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