夏の奏

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 僕は、鳴り止まない胸の鼓動を抑えながら、持ってきていた水筒を手に取り、お茶を飲んだ。  ____________________  先生に言われた通り、弁当を持ち会議室へと、担任の先生と一対一で話をしに向かう。  少し落ち着いたが、先程向けられた拳が脳裏から離れないでいる。  20分程経った頃、僕が弁当を食べている最中に先生は会議室へ入ってきた。 「よー、待たせたな。すまんすまん。そのまま食っててくれ。すまんが、このまま、話を進めてもいいか?」 「あ、はい……ど、どうぞ……」 「佐藤。お前が水泳の授業中、途中退席したのは本当だな?」 「は、はい……保健室へ行っていました……」 「その理由は?」 「授業中軽い熱中症を起こし、ふらついた為、体育の先生の松田先生に言って保健室へ行きました……」 「だな。それはさっき松田先生にも聞いたし、森川先生にも聞いた」  この言葉から、先生がこの20分程で体育教師の松田先生と養護教諭の森川先生に話を聞きに行っていた事がうかがえた。
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