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「はーあっ!まただめだったかぁ!結果が出ない上にスランプとかもう最悪っ」
ため息を隠さずデスクに戻って仕事を再開するも、キーボードをたたく指の力だってつい強くなってしまう。
「ご乱心ですか黒木さん?キーボードが壊れてしまいますよ?」
横から緊張感のない呑気な声が聞こえ、ガクッとなる。せんべいを頬張りながらこっちを見ているのは、隣の席の黒田くん。マイペースな後輩だ。最近の子は職場であっても必要最低限しか話さない子ばかりなのに、この子だけはなんだかんだとのんびり口調で話しかけてくるので調子が狂う。
「いいでしょ別に。こんなことでキーボード壊れないわよ」
「壊れますよ。あ、でも壊れたら僕の分も買ってください。有線の新しいキーボードがほしくて」
「なんで私が黒田くんの分まで買うのよ?勝手に好きなの買ってくればいいでしょっ!」
きつい言い方でついイライラを彼にぶつけてしまってしまってしまったと思う。嫌な思いさせるつもりじゃなかったのに......。『ごめん』と呟くように慌てて言ったけど。黒田くんは全く気にした様子がなく驚いた表情で私のキーボードを覗き込んでいた。
「え?これ買うの自腹なんですか?会計課に言えば経費で落ちますよね?」
「そうだけどっ!ああうるさいなもうっ。なによ!黒田くんまで私の心が狭いって言うわけっ?」
「そんなこと言ってませんけど。え?黒木さんて心が狭いんですか?」
「だから!うるさいなもう!イライラするっ」
「チョコ食べます?」
「食べるっ」
黒田くんは自分の席の書類ケースに手を突っ込んでチョコレートの包みを取りだす。そこは書類を入れる場所なんだけど、お菓子であふれかえっている。
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