機械仕掛け

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「なんだ、このガキ……ば、化け物か!!」  大人三人でも倒せないライナーに怯んだ彼らは着いたと同時に逃げ失せる。ライナーは乱れた服を整え、エレベーターの警備員に「大丈夫か。着くまで戦ってたのか、たいしたもんだ」と笑われた。 「弱かった。多分、生活必至で脅すしか脳が無い人達かも」 「それは運が良い。最近、一部貴族で寿命の延命、寿命のコントロール、不老不死と人類滅亡への対策をしてると話があって【人間に紛れた兵器】がいるらしい。あとは――っとあまり言うと首飛ばされそうだから言えないが“こうなったのは人類のせい”だと一部上位者の中で数年前から言われてるらしくてな。仕切ってる連中等はピリピリしてて関わりたくない。気を付けてな」  警備員の意味深な言葉にライナーは「そう」と冷たく返す。リアムは特に何も言わなかったが【兵器】という言葉が頭から離れず、無意識にライナーを見る。 「なに」 「すみません。行きましょう」  エレベーターホールを抜け、機械仕掛けの道を歩く。歯車とチェーンと細かな部品に覆われた地面と機械の建物。そして、生を感じない広々とした場所を歩いていると場所にふさわしくない綺麗な建物が一つ。 「うっ……」 「どうしました?」  門を入る手前でいきなり頭を抱えるライナーにリアムは声を掛けると「あら、リアム。来てくれたのね」と上品なドレスに身を包んだ三十代にしては若々しい。ブロンドの髪の毛にシルバーの瞳をした女性(カミラ)が待っていた。 「その子は……子供?」 「下層の信者殺害関連の生き残りでして」 「例の大量殺人なのか。機械に殺されたのか……いまだ分かってないあの事件。ごめんなさい、聞かないほうがよかったわ」 「いいえ、同じこと聞かれますし。彼も彼で気にしてはないようです。では、早速ですが点検しますね」  リアムは執事に連れられ点検を開始。その間、ライナーは門に凭れ待っていたが「コード持ちなの?」と興味ありげにカミラが顔を覗く。 「はい?」 「貴族には敬語を使うようプログラムされてる? 思春期みたいだからタメ口かと思ってたけど」  カミラの話の切り出しに一言は返すが二言目は返さない。それどころか背を向け、貴族に対して無礼な態度。
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