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教会での殺人から聖なる場所が汚れると言われ、簡易的に設立された【慰霊碑】。“機械墓地”とか別の意味で“亡くなった人への祈りの場所”と言われているが、本来は大聖堂が建設予定だった。しかし、治安の悪さと機械の目撃情報が多発しているため無効。
今は【訪れると死ぬ】と“行った人が帰ってこない”と墓地と同じ不気味な噂があり近寄る者はいない。
「今は三層から酷く機械に侵食されて基本立入禁止となっているそうです。完全禁止ではないので行けるにはいけますが……」
「でも、倒して治安改善させたら少し賑わうかも。あそこ、機械固めにしては珍しくコンクリートで湧き水や植物もあったと思うから上手く守りながら行けば行ける確率はある」
いきなり仕事話になり、リアムとライナーは各意見を述べるや「今日に限って携帯電子装甲を持ってないんですよ」と悩む声。それに対してライナーは「標的をオレ固定にすれば大丈夫じゃない?」と足につけていたレッグポーチから二本の見た目懐中電灯みたいなモノを取り出す。
「あるじゃないですか!!」
「いや、これ……お兄さんの開発したのじゃなくてオレがこっそり造った駄作で……」
目を輝かせ、即座に手に取るリアム。ライナーは分が悪そうな顔で“人の話聞けよ”と言いたそうな様子。しかし、市販されない独自で開発した戦闘用の消耗品には弱いことは知っており、溜息混じり諦める。
「何秒守ってくれるんですか。壊れるまで使えるタイプですよね?」
「うっ……だから、お兄さんのとは少し違うんだって。お兄さんのは一つで壊れるまで個人を守るお守りみたいなものだけど、オレのは二本を平行に地面に差し込んで起動させる。三本あると敵をその中に封じ込めるんだけど間に合わなくて」
「で、何秒ですか」
「長くても3秒から5秒。真正面の攻撃しか受け止められない。1回使うとチャージ時間が数分」
「やや不便ですが無いよりマシです。私の使いかけのシールドを彼女に渡して、それをお借りします。多分、三回程度なら守ってくれるでしょう」
スナイパーライフルの銃床にアクセサリーのようにぶら下がっていた“宝石のように美しい青いコア”丸いシルバーの枠に填められた【携帯シールド】を外そうとするも手が止まった。
「あっこれって魔改造した機械武器だから発動するんでしたっけ?」
「そうけど……あ、お姉さんに渡しても発動しない。じゃあ、オレのナイフにつければ起動するかも。護身用に」
二人話し込む様子にカミラが「貴方達、そんなに真剣に話すのね。私はてっきり軽く話してさっさと行くのかと思ってたわ」と褒めているのか、よくわからない割り込みに顔を向ける。
「えぇ、自分の周りの人はよく死にますからね。それに上の方々は気づいてませんが、機械だからこそ進化して前は対応できたのに出来ないこともある。生ぬるい何でも屋とは違いますよ」
「あら、かっこいいこと言うじゃない。見た目は頼りないのに」
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