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僕はそんな君に声だけで語り続けた。
『次は生きたい』
『必ず会いにいく』
『だから……』
『生きて、待っていて……!』
色んな方法で死のうとしている君を見ていられなかった僕は、君に生を望んだ。
君は生と死に蝕まれても、涙が枯れた後も生き続けて、7年後に成人した。
そのことに安堵した僕の体は薄れてゆき、死ぬんだと思った。
(神様、ありがとう……。悠を生かしてくれた。それだけで満足です……)
魂が溶けていく、まるで神様に許されたような感覚の末、僕は世界に同化した。
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