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気温の涼しい深夜が何よりの時間だ。この時間にランニングをすることを最近の日課としている。人は少ない、車も少ない、道路全体を私有しているかのようで、ちょっと気分も良い。
所々で煌々と輝いている街灯は、LEDの無駄に眩しい光を直線的に放っており、逆に住宅地などの場所では、各家の灯りが漏れているだけで、従来の夜の闇が待ち受けている。わたしはどちらかといえば、後者の方が好きだ。
遠くにぼんやり見える大きな影も、光が入らないからこその夜空の星の瞬きも、時折吹く風が、恐怖にも似た冷たさを感じさせることも、どれもわたしを満足させるものであった。
むしろそういう時間を邪魔されるのが嫌いだ。深夜なのにすれ違う人や車、目を指すほどの広範囲を照らす光、普通の人ならホッとするシチュエーションが逆に苦手なのは、根本的に人が好きではないからだろう。
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