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「あー!こんな所にあったんだー!」
目の前にいたスーツ姿の女性が私の方を向いて喜んでいる。
見たことのない女性だった。過去の知り合いでもなさそう。
その女性は、地面にうつ伏せに倒れている私の横に跪き、小さな声で囁いた。
「私は黒歴史救済組合の者です。話を合わせて」
言うと、キョトンとしている私に向かって、周りにいる大勢の人たちに聞こえるように声を張り、
「私のコンタクトレンズ探してくれて、ありがとう!」
あ、そういうことね。
私は右手にコンタクトレンズを掴んでいるように見せかけて、女性に手渡す振りをした。
スーツの女性は微笑み、ペコリと頭を下げると街中に消えて行った。
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