鰐のバイト

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鰐のバイト

 その夜、佐藤とリスは鶴見川のほとりで星を眺めていた。突然、リスが目を輝かせて言った。「佐藤さん、最近、鰐が近くのプールで泳いでるって聞いたことある?」 「鰐がプールに?」と佐藤は驚いた。「それはちょっと珍しいな。どうしてそんなところに?」 リスは続けた。「鰐は、妊婦さんのために特別に食材を運ぶ『Uber Eats』の仕事をしているらしいんや。最近、妊婦さんが外出できないから、プールの近くで待ってるんや」 「なるほど、便利だな。でも、彼はどこにいるんだろう?」 「たぶん、留守の家の近くにいると思う」とリスは言った。「行ってみよう!」  二人は鶴見川を渡り、噂のプールへと向かった。プールの周りには、夜の静けさが漂っていた。そこで、鰐が待っているのを見つけた。 「おーい、鰐!」とリスが呼びかけると、鰐は振り向いた。「やあ、リス!佐藤さんも来たんだね」 「妊婦さんのために食材を運ぶの、いい仕事だな」と佐藤が言うと、鰐は笑った。「ありがとう。でも、今日はちょっとストに入ってて、遅れそうなんだ」  リスが提案した。「それなら、みんなで手伝うことができるかもしれない。必要な食材を一緒に運ぼう!」  鰐は嬉しそうにうなずいた。「それは助かる!特に妊婦さんには新鮮なものを届けたいから」  佐藤とリスは鰐と一緒に食材を集め、妊婦さんの元へ届ける準備を始めた。彼らの友情と協力によって、温かい思いを込めた食材が、夜の街を通り抜けていく。  こうして、鶴見川のほとりで生まれた小さな冒険が、また一つ新しい絆を生み出していくのだった。
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