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「宗佑、やっぱり私」
「良かったね、柳田くん!」
「片瀬さん……」
「実は私、今日急遽用事ができて焼き鳥行けなくなっちゃって……。さすがに2回も連絡もなしにすっぽかすと悪いかなって思って、今回は直接言いに来た。」
……ダメ。
あと少し、
もう少しだけ我慢して。
「……柳田くん。先輩から、最後に助言をあげるね」
「……最後?」
「大切な人の手は離しちゃダメよ?どんなにカッコ悪くても無様でも、大切なものは絶対に手離したら後悔する。だから、絶対に彼女の手、離したらダメだよ」
「……」
「じゃあね、彼女と仲良くね!」
笑顔で柳田くんへと
そう言い私はふたりを残し会社を出た。
……言えた。
ちゃんと
泣かずに言うことができた。
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