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このまま
柳田くんと話していると
余計なことを言ってしまいそうで
1秒でも早く
柳田くんの
前から離れようとした瞬間
グッと腕を引っ張られ
壁にドンっと身体を押し付けられた。
「な、なに?」
「……自分勝手ですよね、片瀬さんって」
「え?」
「いきなり現れて、人の気持ち掻き回すだけ掻き回して、そんな態度取るんですね」
すぐに
手を伸ばせば
触れられる距離に
柳田くんがいるのに触れられないもどかしさ。
まっすぐと
射抜くような
視線でジッと見つめられ
思わず流されそうになってしまう
弱い自分の気持ちを奮い立たせギリギリのところで平常心を保つ。
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