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「はい」
「え?あ、ありがとう」
柳田くんから
手渡された
缶コーヒーをジッと見つめる。
「あれ、それ片瀬さんがいつも飲んでるコーヒーじゃなかったですか?」
「あ、うん、そうあってるよ。ただ、よく知ってたなって思って」
私と柳田くんが
こうして話すようになって
1ヶ月も経っていない中で
私が好んで飲んでいる缶コーヒーを
知ってくれていたことが
驚きよりも嬉しくてたまらずに笑みが溢れた。
「……可愛く笑ってくれるのはいいんですけど俺、お預けのままなんですけど」
「お預けって、ちょ、ち、近い……」
グイグイと
私との距離をつめ
迫ってくる柳田くんの整った顔。
「はい、近づいてますから」
迫ってくる
柳田くんを手で押すけれど
お構いなしにどんどん距離を縮められ
気づくとお互いの額と額が
触れ合いそうなほどに近い距離に柳田くんがいた。
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