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こんなに
近くにいても
やっぱりあの香水の香りはしなくて
「……香水、本当にやめたの?」
「えぇ、やめました。だってもう、必要ないから」
「どうして?」
「理由は朝も言いましたよ?でも、わからないなら何度だって言います。俺は片瀬さんのことが好きです」
「……あの子は?あの子のこと、寝ながら泣くくらい好きだったんじゃないの!?香水だって、あの子のこと忘れられないからずっと使ってたんでしょ?」
一方的に
気持ちをぶつけていると
聞こえてきた
社員の話し声にハッとして
一気に
恥ずかしさが込み上げてきて
いたたまれなくなり逃げようとした瞬間
「今度は逃しませんよ」
「っ」
グッと
腕を引かれ
私の指に自分の
指を絡めギュッと繋ぎ歩きました柳田くん。
……どうしよう。
繋いだ
手から感じる
柳田くんのぬくもりが
私の胸の鼓動を一気に加速させていく。
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