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「今は好きでも、明日はわからないですもんね」
「あ、あれは、違うの!いや、違ってないけど、今は、本当に……っ!?」
不意に
手を
ギュッと握られ
あまりの
驚きからそれまで
うるさいくらいに話していた
私のおしゃべりな口は一瞬で静かになる。
「わかってますよ。ただ、必死になる美穂さんが可愛くて、つい」
「……いい性格してるわね」
「すみません。でも、前に美穂さんが言ってたことは強ち間違いではないんです。人の気持ちなんて、今がそうでも明日が今日と同じなんてわからないんです」
そう話す
柳田くんの表情は
切な気で
瞳は悲し気に揺れていて
弱々しい柳田くんを見ていると
思わずギュッと抱きしめたい衝動にかられて
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