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「な、な、」
「可愛いですよ、美穂さん」
「っ」
前の恋も
その前の恋だって
こんなにも感情が
乱されたりなんてしなかったのに
柳田くんといると
私の感情は制御の効かない
ジェットコースターのように急上昇や急下降を繰り返す。
それは
きっと
それだけ私が彼のこと
「……好き」
「……だから、美穂さん。そういうのをダメって言ってるんですよ?」
「……好きよ、柳田くん」
「……本当、ズルいですよ美穂さんは」
柳田くんの
首に腕を回しながら
好きだと気持ちを
伝えれば困ったように囁いた
彼の
言葉を皮切りに
私の唇と柳田くんの唇が
どちらからともなく静かにそっと重なった。
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