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企画部の近くの
窓ガラスに映る
自分の姿を見て前髪を簡単に整える。
「変、じゃないよね……」
柳田くんいるかな?
一目でいいから
柳田くんの姿を見れたらいいな……
仮にふたりで話せなくても
柳田くんの声が聞きたらいいなって思う。
「ふふっ」
想像するだけで
嬉しくなって頬が緩んでしまう。
「よしっ」
緩んでしまう
頬と気持ちに喝を入れて
歩みを進め
企画部のドアをノックしようとした瞬間
「えー、本当に?」
「本当だって。だって、こっちの方がインパクトあるだろ?」
「たしかにそうだけど」
「ほら、貸せよ。あとは俺がやってやるよ」
「本当!?ありがとう、宗佑っ!」
少し開いた
ドアの隙間からは
柳田くんの腕へと
女性社員が笑顔で抱きつくところが見えた。
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