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……あ。
でもこの香水は
多分、女性用の香水の香り。
さっき
柳田くんは誰とも
付き合う気はないと言っていたから
彼女はいなくて遊んでいる
素振りもないってことは残された答えはひとつで
「ねぇ、柳田くん」
「はい?」
「今日の夜、仕事が終わったら一緒に飲みに行かない?安くて美味しい焼き鳥知ってるの。はい、これ私の連絡先」
「俺、行くなんて」
「じゃあ、18時にロビーで待ち合わせね!奢ってあげるから、約束破らないでよ?」
名刺の裏に
自分の連絡先を書き
柳田くんに手渡し
カーディガンを羽織り
柳田くんからの
返事をわざと聞かないように屋上を出た。
「……クスッ。本当、変な女。」
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