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「言ってください、きちんと。思ってること、俺にきちんと言葉にして言ってください。そしたら、俺の出来る範囲で美穂さんの願い叶えますから」
俯いたまま
罪悪感から
なかなか顔を上げれないでいると
優しく私の頭にポンっと触れた柳田くん。
「迷惑、じゃないの?」
「なんで?」
「だって、仕事忙しいのわかってて会いたいとかワガママ言って……」
「俺、美穂さんの彼氏ですよ?彼女からの会いたいなんてむしろ、ご褒美ですよ」
「……本当?」
「それに、そう思ってたのが自分だけって思わないんでほしいんですけど」
グッと
腕を引かれ
私の身体は
柳田くんの腕の中に抱きしめられた。
……不思議。
今まで
ぐちゃぐちゃだった
私の心の中が
彼のぬくもりを感じた瞬間に
ゆっくりと落ち着きを与えてくれて
それまで混乱していた私にホッと一息つかせてくれた。
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