79人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
「い、意地悪……」
「まあ、今回の件は一概に美穂さんだけが悪いわけではないですけどね。」
「いやいや、どう考えても私がひとりで暴走しただけで、柳田くんはむしろ被害者だよ」
素直に
自分の気持ちを
伝えればいいだけなのに
それをしなかっただけではなく
ヤキモチ妬いて思ってもないような
酷いこと言って一方的に柳田くんを傷つけてしまった。
「本当にごめんなさい」
「もう、いいですよ。俺も、仕事にかまけて美穂さんのこと蔑ろにしましたから。それで一度、痛い目にあったのに、また同じ失敗を繰り返すところでしたよ」
ははは、っと
苦笑いを浮かべながら
残り少しだった
ビールを一気飲みした柳田くん。
「……もう、過去は吹っ切れたの?」
「クスッ。相変わらず面白いこと聞いてきますね。仮に吹っ切れてなかったら、俺は今、ここにこうして美穂さんといませんよ」
「そ、そうだよね」
.
最初のコメントを投稿しよう!