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和やかな空気
それから二人で街散策をし、
なぜか夕飯を一緒に食べることになった。
「ねー、ここのお店美味しそうだなーって前から思ってて、でもなかなか入るタイミングなかったお店なんだ。ここでもいい?」
「うん、もちろん。私、ここらへんのお店全然分からないから、助かる。」
すっかり敬語ではなくなった私。
そしてお店に入り、注文をする。
「ねぇ、黒井くん。」
席に座って、私が口を開く。
「蓮也でいいよー。」
「んー、わかった。蓮也くんは何で私との距離を縮めてくるの?」
一緒に過ごして、蓮也がこうと言ったものは覆さない事がわかったので、名前呼びは従うことにした。
そして、気になっていたことは単刀直入に聞くのが一番だった。
「あー、なんとなく。ほんとに、なんとなく?
ぶつかって、話して、俺のグッズの紙袋持ってるのに、俺のこと知らないの?って、面白くて、印象に残った。それに、リサさんは普通な感じで安心する。芸能界って特殊で、個性が強い人が多くて…。最近は特に…疲れちゃう。みたいな。」
(蓮也くん、のんびり系で売ってるけど、実はあんまりのんびりしてないのかも。)
「確かに私は平々凡々だな〜。あははっ。安心するなら仕方ないね!まあ、変なスクープのネタにされないように気を付けてもらえればいいよ。」
「ありがと、リサさん。今日はすごく楽しかった。また一緒に遊んでくれる?」
(また…自由な時間が取れたら…。)
「うん、いいよ。ご飯くらいなら。」
そうして和やかな空気になり、
ご飯を食べてお互い帰るのだった。
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