熱?

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熱?

「今日、遅くなるかもしれないから、夕飯俺の分いらないから。寝ててもいいから。いってきまーす。」 蓮也と街散策をしてからしばらく経ち、 基本的には平穏な日々を過ごしていた。 基本的に…というのは、最近夫の帰りが遅くなることが増えたことが少し心配なのだ。 (定時は18時だけど、19時までは仕事だろうし… 遅いときでも終電には間に合うように帰ってきてくれるし…。 残業もあったり…飲み会もあったり…忙しいだけだよね。リョウくんに限って浮気はないない。 なんだかんだ言っても、家族を大切にしてくれる人だもんね。) それに、 「俺はワンナイトとかしたことない。」 付き合いたての頃、 そう話していたことを思い出す。 (それに、仮に浮気してたとしても、私には攻める資格なんてない。自分も不倫したんだから…。しかも相変わらずセックスレス…。外でやっててもらった方が、もしかしたら良いのかもしれない…。) そんな嫌な考えまで浮かんだ。 (やめやめ。考えるだけ時間の無駄。私の一番は常に息子。何があってもハルくんを大切にする。) そう思い、今日もカフェに出勤するのであった。 ------------------------------------------ 「リサさん、今日もこの間と同じところにおつかい頼んでも良いかしら?」 店長のおつかいと言えばアレだ。 「分かりました。行ってきますね。ところで、なんでわざわざ取りに行く必要があるんですか?それに何で店長が行かないんですか?」 「それはね、実は制作途中で作ってみたけど微妙でボツになったグッズとかを貰ってるからなの。配送だと、万が一紛失した時騒ぎになっちゃうでしょ?あと私が行かない理由は………スカウトされちゃうのよ……。」 「スカウト……たしかにイケメンですもんね…。」 「嫌なのよ…私ほら、同性が好きでしょ?それなのに異性相手にしなきゃいけない役とか来てもムリムリ…!」 「たしかに…。教えてくださってありがとうございました!では行ってきます!」 「は〜い!おねがいね〜!」 ------------------------------------------ そして前回と同じ流れで紙袋を貰い 事務所から帰ろうとした、その時… バタッ! (?!?!?!こわ?!何?!なんの音?!) 音がした方向を見ると人が倒れている。 「大丈夫ですか?!」 駆け寄ると、蓮也が倒れていた。 息が荒い。熱があるようだ。 「今人呼んでくる!待ってて!」 急いで人を呼んで、力持ちそうなスタッフの方々に抱えられながら、蓮也は事務所の休憩室に運ばれていった。
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