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曖昧
木村さんと連絡先を交換してからは、
意外とLINEでの会話が弾んでいた。
ご飯にも結局行くことになり、最初はどうなるか心配だったものの、特に何か起こることはなく、ただご飯を食べて解散するだけだった。
そして蓮也の方だが、
蓮也からも連絡が来るようになっていた。
それだけではなく、たまにカフェに足を運んでくれるようになった。
そして、子供の迎えの時間まで、蓮也と関係を持つことも幾度かあった。
もうしないと思っていたのに、やはり、いざ会ってしまうと気持ちが揺らぎ、負けてしまう。
木村さんとも、蓮也とも、
曖昧な関係を続けていた…。
(このままじゃいけないことなんて、分かってる。どうしたらいいか考えなきゃ…。)
そう思うものの、二人との関係を完全に断つことができない。
リサにとって、木村さんは良き相談相手であり息抜きできる相手になっていた。
蓮也は、忘れていた恋心のようなものをくれて、ドキドキする。
それが辛い、でも嬉しくて、手放せない。
この時は夫に知られることなんて考えていなかった。
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