夫、帰宅

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夫、帰宅

ハルが遊び疲れて昼寝をしている間、 母に夫との最近のことを話した。 「ん〜、そうなんだ。 そんな怒るような人には見えないけどねぇ。 でも、こんな状態のリサを見ると…。 まあ、最近は離婚するのも普通なんだし、 私はいつ離婚してもいいと思ってるからね。」 「え!離婚してもいいの?」 「うん。長い人生なんだし、まだ若いんだし。 そんな状態になってまで苦しまなくたっていいんだよ。」 リサは、まさか母にそう言って貰えるとは思っておらず、思わず泣いてしまった。 「そう言ってくれてありがとう。 ハルがいるから、離婚は全然考えてなかったけど… とりあえず今後どうしたらいいか考えてみる。」 「うん。リサが決めたことに口は出さないよ。」 「お母さん、ほんと、ありがとう。」 自分にとって頼れる人は両親であり、 自分にとって大事な人は子供一択だと 改めて認識したのだった。 ------------------------------------------ リサの風邪が治り、母が帰ることになった。 「お母さん、ありがとね、また来てね。」 「はいよ、また来るね。」 「ばぁば、ばいばーい、また来てね!」 母は家を後にした。 (とりあえず、リョウくんが帰ってきたら、今後についてちゃんと話をしてみよう。) ------------------------------------------ 「ただいまー。」 夫が帰ってきた。 「おかえり。リョウくん、あのね、」 「やっとお母さん帰ったんだー。」 「え。」 「ホテルの空調微妙で、喉乾燥しちゃったよー。 俺のほうが風邪引きそうだったわ。」 「…。そっか、ごめんね。 ホテル泊まっててくれて、ありがと。」 「ほんと、感謝してよねー。夕飯できてる?」 「ごめん、今から作るから、待っててね。」 「夕飯くらいさっさと作ってよ。 いいよなーご飯作るだけだもんねリサの仕事は。」 「え、そんなこと言う人だっけ?」 思わず本音が出た。 「は?!何?!何か間違ってるか?!あ゛?!」 今日は特に短気だ。 ホテル滞在で疲れていたのだろうか。 「ごめん、もう夕飯作るから、 怒らないで、ごめんね。」 そう言って台所に逃げるしかなかった。 ------------------------------------------ 子供を寝かしつける時間、 夫は一人、リビングでお酒を嗜んでいた。 私は子供と一緒に寝室のベッドで絵本を読み、 お話をしながら寝ようとしているところだった。 「ねぇママー。最近、パパ忙しいの?」 「…そうだね、パパはママとハルくんが生活できるよう、お外で頑張ってきてくれてるんだよ。」 「そっかぁ、でもぼく、パパともっとお話したり 遊んだりしたいなぁ。」 「そうだよね…。ごめんね、寂しい思いさせて…。」 そうして寝る子供を見て、 今後自分はどうしたらいいのか、 答えは出ないが、悩むしかなかった。
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