夫、ショック

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夫、ショック

「は?何言ってんの? 俺が頑張って働いてるのに、お前は不倫してたのかよ? しかもそこの二人?ありえねぇ…。 職場で男漁るなんて気持ち悪っ…。 もうなんて言ったらいいか分かんねぇよ…。」 ダメージが大きいようで、夫は椅子に雪崩れるように座り込んだ。 「ごめんなさい…。あの…。」 リサが何かを言わなきゃと思い口を開いたが 「はぁ…。 ごめんなさいじゃねぇよ。 とりあえず離婚はしない。 お前は一生家で家事と子育てだけしてろ。 もう外には出さない。 ハルに申し訳ないと思わないのか? こんな汚い母親で!」 「…っ!ご、ごめんなさいっ…!」 リサは泣くしかできなかった。 自分が蒔いた種とはいえ、辛かった。 「すみません、ご主人、私は関係を持つって程のことはしておりません。 ただのカフェの常連ですし…。」 木村がヘラヘラと笑いながら、口を開いた。 どうやら自分は偶然居合わせただけの客で、 巻き込まれただけ、というスタンスらしい。 「僕は旦那さんがいるなんて知らなかった…。 子供もいるなんて…。」 蓮也はリサに夫と子供がいたことがショックだったようで、うつ向いていた。 確かに蓮也からしてみれば初めて知る事実。 リサは伝えていなかったのだから。 「お二人と関係を持っていたかどうかは、 もうこの際、関係ありません。 慰謝料も請求しません。 なので金輪際私達に関わらないでください。 以上です。 店長さんには突然で申し訳ありませんが、 今日でリサはこちらを辞めさせていただきます。 ほら。リサ、帰るぞ。」 リサの手を引くためにリョウが椅子から立った。 その時…!
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