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暴露②
「うわぁ、リサさんの旦那さんもヤバいね。」
失笑しながら木村さんが言う。
失笑と、「旦那さんも」という言葉に自分も含まれてると思った阿部は、それにムカついたのか、
次のターゲットを木村さんに向けた。
「木村さん、あなたは奥さんと娘さんが一人、いらっしゃいますよね。
それに、リサさんと出会う前に長期で交際していた方が数人いらっしゃいましたね。
そのうちの一人からは結婚を迫られたが、もちろん断り、その方は鬱病になってますね。
もう一人は、堕胎してますよね。
奥さんには、また別件の方との不倫が一度だけバレて、「次不倫したら離婚する。」と言われてますよね?
知られたマズイんじゃないですか?」
木村さんもなかなかヤバかった…。
「うっ…。なぜそれを…。」
木村さんもびっくりしている。
「どうせリサさんのこともセフレが増えたらいいな、くらいの気持ちだったんでしょ。
他人を攻略するのが好きみたいですからね。
そのためにリサさんの家まで把握したところに、偶然リサさんが家から出てきて…。
偶然が重なって良かったですね?!
本当は僕が行ってリサさんを慰めるはずだったのに!
他の人からの略奪も結構してきたみたいじゃないですか。
でも残念ですね、結果的にリサさんは僕のですからね。」
(いや、阿部さんのものではない。
今までもこれからも絶対ない。
なんだ結果的にって…。)
リサは心のなかで突っ込んだ。
「あとは…」
と、阿部が言って見つめた先には蓮也がいた。
「僕は特に何も、、特殊な性癖とかないですし…。」
蓮也のその言葉に阿部が反応した。
「ほんとですかぁ?
あなた、次のドラマは年上のカフェのお姉さんとのラブストーリーですよねぇ?
なんでも、役に入り込む性格だとか?
役に入り込むために、ドラマに見合ったシチュエーションの女性と関係を持つのは、性癖じゃないんですかぁ?
それに、リサさんの前にもいましたよねぇ、そういう方々。」
夫と木村さん、それに阿部と比べれば
蓮也は可愛いものだな、と、リサは思った。
だが、多少ショックであることに変わりはない。
「どうですかリサさん!
こんなクズたちとはもう関係を絶って、僕だけを見てください!」
なんというアプローチの仕方だ。
「阿部さん、ここまで調べていただいて、ありがとうございました。
おかげで目が覚めました。」
そしてリサは決心がつき、それを言葉にするのだった。
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