愛情ゲージ

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愛情ゲージ

夫が 「さっきはカッとなっててごめんら、」 と言い、帰ってきた。 もう怒ってない様子だったので皆でご飯を食べ 子供の寝かしつけが終わった頃。 夫にさっきは何があって怒っていたのか聞くと 「ハルが、「幼稚園でまだ遊びたかった」って帰ってきてから泣いて…。全然泣き止まないし。 それでカッとなっちゃって…」 「そんなことで…?え?」 私が心の底から、そんなことで?と思っていると 「リサにとっては、そんなことで悪かったな!!」 と言いながら、 ドンッ!と持っていたビールを荒くテーブルに置いた。 「あ…ごめん、、迎えに行ってくれてありがとね、 仕事大変だっただろうに…。」 と私がフォローする。 「いや…別に…はぁ…。」 またため息。 空気が悪くなる。 耐えかねた私は 「ちょっと、コンビニ行ってくる。」 と言い、家を逃げ出した。 最近は夫といると息が詰まることが多い。 昔は私の安心できる場所だったのに。 おかげで夜の営みも皆無だ。 したいとも思わなくなってしまった。 「愛情ゲージがあるとすれば底につく寸前だなぁ…。」 独り言をボソッと言ったその時 「あれ、リサさん?」 と、最近聞き慣れた優しい声がした。 そこにはオフの格好の木村さんがいて、 「偶然だね!あれ?なんだか疲れてる? 大丈夫?」 そんな優しい言葉に、すがりたくなってしまった。
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