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「どういうつもりだ!」
玄関ロビーに職員の怒鳴り声が響く。でも構うことなく明日花は希一の体にしがみついた。
「嫌です!行かないでください班長!」
「班長がいなくなったら僕達どうしたらいいんですか!」
明日花と同じように、桐矢も希一の体にしがみついていた。
「えぇ!?明日花!?桐矢!?」
慌てているのは希一を連行しようとしていた職員達だけでなく、希一本人もだ。上体にしがみつく明日花、腰にしがみく桐矢。いったいなぜ二人がこんなことしているのかわからない。
「だ、大丈夫だから」
とりあえずなんとか落ち着かせようと言う希一だが、桐矢はぐっと腰にしがみついて離れようとしないし、振りほどかれそうになったのか、明日花は体制を変えながら、それでも離れようとしない。
「大丈夫なんかじゃありません!」
「そうですよ!なにが大丈夫なんですか!」
「えぇ…………」
「いい加減にしろ!」
怒鳴りながら応援に来た職員も加わり、二人を引き剥がそうとする。
「二人になにするんですか!」
すると、今度は班員達も声を荒らげながら加わり、玄関ロビーは騒然する。けれど、いくら希一の班が精鋭揃いとはいえ、この人数差はどうにもならない。力ずくで明日花と桐矢は引き剥がされ、希一は連れて行かれてしまった。
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