ラベリング

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「それで、誰だったの!?」 「声を抑えろ桐矢。勝手なラベルの読み取りは規則に引っかかる」 「読み取ろうと思って読み取ったわけじゃありません。感情が高ぶって、つい、うっかり、読み取ってしまっただけです」  明日花は先輩に渡された端末を操作し、ラベル管理課の個人情報データベースにアクセスしながら、淡々と言う。  読み取った名前を入力すれば、すぐに一つのデータが浮かび上がった。そこに記された情報に明日花は眉間にシワを寄せた。 「…………明日花?」  心配そうな桐矢の声に、明日花は皆の方へ端末を向けた。 「ッ!?」  そこに記された名に、みなが息をのみ、言葉を失う。
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