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「休みとってますね、その日」
ディスプレイを見たまま言う明日花に、桐矢は眉間にシワを寄せる。
「その日って?」
「八月十一日」
「わざわざ休みを取ってキャラクターイベントに!?班長が!?」
「だから、うるさい」
驚愕する桐矢を先輩がにらむが、明日花はまるでかまうことなくディスプレイから顔を上げる。
「つまりは、そういうことだと思います」
「そういう、こと?」
桐矢は一瞬理解できなかったが、
「全部、らしくないってこと」
「じゃあ…………」
さすがになにか思い当たった桐矢に、明日花は淡々と言う。
「誰かと一緒に行った」
わざわざ休みを取り、イベント会場に。
「そして、そのペンを買ってあげた」
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