ラベリング

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「チャンスって…………」 「希一班長が管理課から警察に引き渡される時、一瞬でも班長に接触できれば可能性はある。引き渡される時間を調べてください。廊下か、玄関ロビー、どこでもかまいません。一秒でも長く足止めをお願いします」  明日花がいったいなにをしようとしているのか。  いまだつかめずにいる桐矢や班員達に、明日花ははっきりと言う。 「もし希一班長が自分の名前がラベリングされたペンを相手に渡したのなら、相手はそれほど大事な人です。そして、きっと相手も同じことをすると思います」  でもそれは可能性の話だ。絶対とは言い切れない。けれど、 …………希一なら、絶対…………  明日花はぐっと袖をまくった。
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