いつかの問いかけ

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いつかの問いかけ

暗闇、静寂。ただそれだけのこの空間に対して、特別疑問をもったことはなかった。 けれど、もし。 もしも私の存在価値が生まれて、明るい外の世界に行くことが叶うのならば。 その時私は、其処で何を願うんだろう? 未だこの空間から出たことがない私には、想像することすら難しかった。すっかり夜も更け、灯りを消してしまえば自分の姿すら認識しづらい程の暗闇の中、近くの壁に寄りかかる。 「もし外に出られたら、私は、…どうすればいいのかな」 自分自身答えが分からないその疑問。それに答える者は、この空間にはいなかった。
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