正体不明の黄色いカプセル

深まる謎

　次の日の朝も、それはあった。ママは黄色いカプセルを捨てながら、ドクに何かあったら大変だと怒っていた。
　晩ご飯の時にママがパパにカプセルの事を話した。パパは会社に行くときにはカプセルはなかったと、栄養バランスを考えたドックフードを食べているドクを見ながら言った。
　僕は最後のスープを飲みながら考えた。パパが家を出てから僕が起きるまでの間に誰かがカプセルを置いたことになる。もしも家族の誰かが犯人なら、パパかママが嘘をついていることになってしまう。
　三回目もあったら警察に相談しようとなった次の日の朝。僕はドクの餌皿を落っことしそうになった。だって交換するお皿にカプセルが二つ置いてあったんだ。
　誰が何のために。僕は見えない犯人を想像して怖くて声も出なかった。そして動けずにカプセルを見ていて「あれ？」と思った。
　僕はしゃがみ込んでカプセルを見た。カプセルは少し溶けていて、二つくっ付いているみたいだ。僕はドクが餌と間違えて口に入れて吐き出したんだと思った。