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道路の向こう
大通りに出てしまった。大通りは車も多く危ないから散歩では行かないように言われているのに。
「ワウ」
ドクは大通りに出ると座って尻尾を振り空を見ていた。小鳥は信号の向こうにある、僕が行っているよりも少し大きな病院の屋上に飛んで行って見えなくなった。
「ワウ」
「え?」
ドクは満足したように道を戻り始めた。本当に鳥を追いかけていたのかは分からないけど、たまには散歩道を変えるのもいいなと思った。
お風呂の中で手紙のことを考えていた。『過去になる今を変えなくちゃ、未来の今は変わらない』そんな風に言われた気がしていた。どんな気持ちで書かれたのかは分からないけれど、今の僕には必要な言葉なんだと思った。まるでカプセルに言葉の薬が入っていたみたいだ。だったらお医者さんはどんな人なんだろう。カプセルを追いかければ分かるはずだ。
僕は早起きをしてドクのお皿を見張ることにした。
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