早起きの張り込み

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早起きの張り込み

 カーテンが間接照明みたいに、ぼんやりと明るくなると鳥の鳴き声が朝が来たことを教えてくれた。ガレージから車の出てゆく音が聞こえると、僕はベッドから起き出した。  パパが会社に行ってから、いつも僕が起きる時間まではテレビアニメの一話分だ。キッチンからは食器の音や、いい匂いがしてくる。ママがパパのご飯を片付けながら、僕とドクのご飯を作ってくれているんだ。早起きをしなかったら実感することもなかっただろう。僕は改めてママにありがとうと思った。そしてドクのお皿が見えるリビングのソファの後ろに隠れた。  ドクが廊下を歩く音でハッと目が覚めた。ママが餌を置いたんだろうか、うっかり眠ってしまっていた。ソファの後ろから顔を出すと、ドクが廊下をガレージに向かっていた。お皿には、まだ何もない。気になってドクに付いて行ってみることにした。一瞬お皿から目を離しても大丈夫だろう。  ドクは廊下を抜けてガレージに出ると座っていた。ガレージの上から鳥の鳴き声がする。と、上から何かが落ちてきた。黄色いカプセルだ。その時、鳥の羽ばたく音がして僕は目で追いかけた。そして飛んで行く小鳥を見た。ドクの散歩中に見た小鳥だった。  カプセルをくわえたドクが廊下に戻って来た。僕は慌ててリビングに戻って、ソファの後ろから様子をうかがった。すると、くわえたカプセルをドクがお皿に置いていた。
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