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「村田、もし冷奴になったらがテーマでいいのか? 変えてもいいんだぞ?」
「本当ですか? 変更します」
「そうか。なら、『流れ星になったらどこまで飛んでいきたいか』だ」
「燃え尽きるだけじゃないですか、流れ星は」
「燃え尽きる前にどこに行きたいかを書け」。
「何で僕だけ、そんなテーマなんですか?」
「お前なら書けるだろ。書いてくれるだろ?」
「そこまで言うなら、やってやりますよ」村田がグッドサインをしながら笑った。
「よし、じゃあ他の奴らにもテーマを言っていくぞ」
有本は手を上げている生徒を指さし、『最近会ったちょっといいこと』『ふと思い出したら笑ってしまうこと』『これまでの人生を振り返ってみて』と次々に言っていく。変更を求められるとすぐに違う案を出し、了承するまで続けた。僕のテーマは、『未来の自分へ』だった。ありきたりだな、と思ったが、変更は申し出なかった。
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