あの日のいつかが今日でした

　〈今日は二〇××年、九月一日　午前十一時三〇分です。夏休みが終わり、始業式です。始業式なのに授業があります。意味が分かりません。七時間目まであります。先生たちも休んでください。僕たちももっと休みたいです。そんなことを考えています。それに暑すぎます。クーラーが全然効いていません。扇風機の方がいい働きをするはずです。汗が止まりません。目に入って痛いです。
　テーマは有本先生に決められました。となりの江川は『ずっと思っていたこと』です。江川は自分でテーマを決めました。有本先生の禿げ具合について書いているみたいです。斜め前の席の南は『この夏にやりのこしたこと、やってみたこと』がテーマです。前の席の村田は『流れ星になったらどこまで飛んでいきたいか』です。意外にも村田は頑張って書いています。今、僕は一番後ろの窓際の席にいます。お腹が空いています。昼は購買で、から揚げ弁当を買う予定です。〉