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勘解由小路の思考 中折れ
多分、昼間は真琴が追ってるんだろうなあ。水仙と。
まあ、夜は普通に夫婦の時間だし。
うるさい莉里も泊まりで正男のとこに行ってるし。
そう言う訳で、俺は真琴にのしかかっている訳なんだが。
うちの服部さんが追っているのに、影すら掴めないって、何だ?
あー。あのガキかあ。あいつが、多分ジルの奴を匿っているんだろう。
多分、うちの僕がよく使う手、空間創造術式だろう。
どっかの家にでも、住み着いてるんだろうな。
他人の家をスクワットしてるフランス人スクワッターって、軽いギャグのつもりか。
さて、あいつ等は、確実に流紫降を狙う。
中性的すぎるもんなあ、うちの坊主は。
俺ですら、あいつにキスした時、変にドキッとしちゃったもん。
地獄に落ちたソドミーの、好みのど真ん中なんだろう。
どっこい、普通に学校行っている間は安全だ。
下手な防備してないつもりなんだが。
ただなあ、文化祭、日曜日なんだよなあ。
流紫降に家から出るな。って言っても、なあ。
今まで、そういう物言いしたことないしなあ。
田所の奴が、文化祭のフライヤー、印刷したの持ってったらしい。
村島のジジイかあ。まあいいけどそっちは。
演目にある、アンド・モアって、多分。
莉里とクティーラがいて、あいつ来たらそれしかないよなあ。
ああ♡気持ちいい♡
どうやって、あいつを変態から守ればいいのか。
心配になってきたぞ。流紫――ああ?!まさか!この俺が?!
今まで、どんな時だって、俺は真琴を!そんな俺が!
「あああ。ごめんな真琴。お前は悪くないんだ。悪いのは、俺だ」
真琴は、まあしょうがないでしゅね。って顔で、俺の胸に顔を押し付けてた。
ホントに、ごめんなさい。
俺、勘解由小路降魔さん42歳。
生まれて初めての、中折れを起こしていた。
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